ジョイスティック難民の行き着いた先 其の伍

おそらくフラシム用ジョイスティックとしてはかなりマイナーだと思われるDefender Cobra M5を検証してきましたが、結論としては初心者から上級者まで幅広くオススメできるものではないかと思います。

現在最も評価が高いジョイスティックの一つであるFighter Stickと比べても遜色ないと思います。

価格はVKBからの購入で送料込み11,380円、Amazon（独）からだと12,257円でした。Fighter Stickの国内での価格が19,440円なので、コストパフォーマンスも高いと思います（
追記（2015年4月2日）送料が値下げされており、現在だと送料込み9,000円前後で購入可能）
。

また、台座部分のスロットルと捻りラダーまで付いているのでとりあえずDefender Cobra M5のみで3点セットが揃うというのも初心者向け（or コタツトップ向け）と言えます。

---

裏抜刀隊:AcesHighやカウンターストライクの部隊
AcesHigh公式ホームページ:MMOコンバットフライトシミュレータAcesHighの公式HP
AcesHigh Wiki Plus!:AcesHighの日本語Wiki
AcesHigh掲示板
AcesHigh掲示板集

---

では、Aces Highにおける精度の比較です。
Aces Highでは、コントローラ設定画面でAdvanceボタンを押下すると生データとゲームでの動きを確認できます。

Joytester2の結果からわかりきった事ではあるものの、確かに磁気センサーのお陰でビビリはほぼ無い状態です（体感的には皆無に近いです。）。また、分解能も1024段階とFighter Stickの4倍ですので非常に滑らかに操作可能です。
とはいえ、Fighter Stickは既に10年以上使用している状態でこの精度ですから、耐久性も含めて考えるとやはりCH社は非常に信頼できると思います。
実際、接触式の可変抵抗ということもあり、購入当初からビビリはあったので、10年経ってもノーメンテナンスでこの程度の劣化、と考えれば極めて上等といえます。CH社の製品は高額ではありますが、ライフサイクルコストという観点から考えれば抜群なのでは無いでしょうか？
※調べてみたところ、現在使用しているCHの3点セットを購入したのは、平成14年2月7日でした。

次に実際のジョイスティックの動きとゲーム中の動きを比較

1台目は問題ないのですが、2台目は何故か下方向に引き切る前にセンサーが最大値になってしまいます。右方向も同様に引き切る前にセンサーが最大値になります。センサー自体のキャリブレーションの問題だと思いますが、どうにもなりません。
せめて上方向の不具合なら問題は無かったのですが・・・お陰で下方向のストロークが短くなってしまう（敏感に反応しやすい）機首をどの程度引いているのかが体感できないため、扱いにくくなってしまっています。おそらくVKBから購入した1台目よりも古い在庫と思われる2台目なので、その後改良されたものと信じたいです。
追記（2015年4月2日）
現在販売されているrev.bではキャリブレーション可能なユーティリティがダウンロードできます。
また、VKBでは、事前にチェックをして問題無い事を確認して発送しているそうです。
詳細はこちら

• バネの強さ
  すみません、バネばかりとかあればいいのですが・・・分解写真のバネから推測してもらえれば。ただ、個人的には固すぎず、柔らかすぎず、Fighter Stickから変更しても違和感は無いと思います。
• スティック自体の重量感
  ベース底板が鉄板なので、重心が低く、非常に安定していると思います。
• 基部から握りまでの長さ
  比較写真のとおり、Fighter Stickとほぼ同じくらいです。違和感ありません。
• スティックの倒れる角度
  これもFighter Stickとほぼ一緒じゃないかと思います（ひょっとしたら若干短めかもしれません。）。ストロークが短いと精度の高さが活かされないので、もう少しストロークはあってもいいかもしれません。
• スイッチ、ボタン類の硬さ、確かさ
  前記事にも書きましたが、HATが固めなのが気になります。それ以外は、全体的には可も不可も無く、という感じでしょうか。
• スイッチ、ボタン類の配置
  レシプロ機なら概ね空戦中に必要な最低限の機能は割り当てられると思います。中央部の切り替えスイッチを使えばボタン数はほぼ3倍になりますが、空戦中に切り替えスイッチを使うのは誤爆の元なので・・・
  もちろんスロットルと併用すれば全く問題は無いと思います。ボタン配置も癖は無いと思います。

なんか、あまり定量的なことが書けなくてすみません。

2台目の不具合が単なる外れという可能性はありますが、それさえ無ければDefender Cobra M5はかなりオススメできます。
エレベータ、エルロン、ラダー、スロットルが全て操作できて、かつこの品質で送料抜き48ユーロというのは極めてお買い得だと思います。
特にフラシム用にジョイスティックを買うかどうか迷っているような人に、他の「安かろう悪かろう」のジョイスティックを奨める害悪に比べれば明らかに賢明な選択といえるのではないでしょうか。
上級者に対しても、なんと言っても精度の高さと重心の低さや癖の無い適当なボタン配置、ラバーコーティング（？）された触り心地の良いスティックといった点から文句ないのではないでしょうか（上級者の場合、慣れの問題はあるかとは思いますが・・・）？

逆に問題点としては、ほぼ輸入のみに頼らざるを得ない事と不安定な生産（？）による入手性の低さがあげられます。初心者向き、と書いたものの、購入方法が限定されるうえ、発注から到着まで10日前後かかるというのは万人向きとは言えないかもしれません。

また、個人的にはスティックが細すぎる気がします。スティックは交換が可能（若干面倒ではあるもののWarthogのスティックと交換できるようです。）とはいえ、デフォルトのスティックは直径というかY軸方向にもう少し厚みが欲しいです。
Fighter Stickと同じ感覚で握るとボタンが押しにくく疲れやすく感じます（ただし、これは握り方をより深めに握るとしっくりくるので、慣れの問題だと思います。）。またおゆまるでも使って少し厚みをましてもみようかとも思いますが・・・3Dプリンタとかでアタッチメントとか作れるといいかもなぁ

もちろん、現状においてもFighter Stickがフラシム用ジョイスティックとして最良の選択肢の一つである事に変わりは無いと思います。精度の問題もAces High側でダンパーやデッドバンドを適当に設定することで事実上快適に操作することができますし、ボタン数や配置等も極めて適切で文句なしです。以前HanzoさんがコメントでFighter Stickの欠点はコストのみ、と書き込まれていましたが、正にそのとおりかも知れません。

今後使い続けた時の耐久性やRev.bでどの程度改良されたのかは気になりますし、Black Mambaも使ってみたいです（ちなみにスロットルも開発中みたいです。）。

Defender Cobra M5 Joystick rev.bの購入先：VKB FSC Europe

結論
これまで満足のいくフラシム用ジョイスティックとしては、唯一の選択肢であったFighter Stickに、もう一つDefender Cobra M5が加わりました！というところでしょうか？

追記
Rev.b届きました。
確認したところ、上記不感地帯は無く、全方位問題ありませんでした。まぁ品質にばらつきがあるのは問題かも知れませんが、にしても同価格帯でこれだけのジョイスティックが買えるのは素晴らしいことだと思います。
追記その２
Rev.bですが、エレベータ方向は問題ありませんが、エルロンは右方向に若干の不感地帯があります。CHみたいにトリムで調整できるようにしてくれれば・・・といってもエルロンの不感地帯は設定でごまかしが効いてますのでとりあえずもうしばらくM5を使ってみたいと思います。

過去の記事
ジョイスティック難民の行き着いた先 其の壱
ジョイスティック難民の行き着いた先 其の弐
ジョイスティック難民の行き着いた先 其の参
ジョイスティック難民の行き着いた先 其の四

追記
Hanzo氏から、以下の報告がありましたので掲載させていただきます。
１　使用数ヶ月でバネが破損する。
２　捻りラダーの不調
捻りラダーについては、不具合内容や、ブレード自身捻りラダーを使っていなかったのでなんとも言えませんが、バネについては、「ジョイスティック研究所 Kingcobraの受難」でも紹介しているように上位機種でも破損しているので、耐久性や構造に問題があるのでは無いかと思います。
もし購入を考えられている人がいるなら、このあたりを充分考慮した上で購入された方がよいかと思います。